子どもがとったその行動 ⇒そうせざるを得なかった『理由・背景』に目を向けてみる

 

お子さんが、友達とのトラブル(ケンカ、物隠し、仲間はずし、etc.)
を起こしたとします。

今までそんなことはなかったのに…。
思い当たる節がなく、どう対応してよいのやら…。
と、戸惑うことがあるかと思います。

そんな時には、

「目に見える行動」の奥底にある、
「未完了の感じ・気持ち」にアプローチする

ことを心掛けて対応しましょう。

 

よくよく聴いていくと、
そのような行動を起こすに至った

その子なりの「理由・背景」

が明らかになってきます。

隠されていた本音
ずっと抱えていた違和感・息苦しさ

に迫ることができるかもしれません。

そこに光を当てていくことが、
今回の『向き合う』ポイントです。

 

『向き合う』ための3つのステップ

まずは、おとなが一呼吸置いて、心を鎮めましょう。

 

① 「してしまった〇〇については、悪かったよね。」

今回の良くなかった行為について、焦点化します。

人に危害を加えない、物を隠してはいけない、など
善悪についての判断基準をきっちりと示します。

 

② 「でも、手を出した(出さざるを得なかった)のには、
きっと何か理由があったんだよね。」

子どもは、実は、
してはいけないことについて、
頭の中では分かっています。

さらに怒られるのではないか?
と身構えているところに、
「きっと理由があるはずだよね」
と言われたら、

・もしかしたら、話を聞いてもらえるかも…。
・ちょっとは、話していいかも…。

という心持ちになってくることでしょう。

 

③ 「その時、どんな感じがしていたのかなぁ?」

と、お子さんの気持ちに問いかけます。

この「感じ」「気持ち」というのが、
止むに止まれずその行為に及んだ理由
(トラブルに至った背景)につながっている、
と予想できるからです。

・自分は悪くない!!
・相手が悪いんだから、手を出してもおかしくない!!

最初のうちは、
自分がしたことをなかなか認めない態度を示すかもしれません。

・やっちゃったんだから、怒られるのは仕方がない…

頑なに自分の非を認めようとしないのは、
自己防衛本能としてあり得ることです。

その一方で、
事態に至るまでのその子なりの経緯や葛藤は、
心の奥底にしまい込んでいます。
本人にしか分かりません。

・前にも同じようなことをされて嫌だった
・あの時感じたイライラが、また出てきた
・今度も同じことをされるような気がした

「未完了のままで残っている気持ち」を辿ることで、
お子さん自身が「本音」を開示する。

これが「自分を見つめ直す」ことにつながり、
この先の行動を考えていくきっかけになってきます。

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ここで、お子さんと『向き合う』際に、
気をつけたい点を2つお伝えします。

 

① 「お前が悪い!」という態度や言葉かけをしない

人格や存在を否定するような態度や言葉かけがあると、
子どもは貝のように口や心を閉ざしてしまいます。

おとなも、そうされると嫌な気分になるはずなのに、
子どもにはやってしまいがちなので、
ここは気をつけたいところです。

 

② 「何で?」という言葉を使わない

「何で?」という言葉は、
一見、理由を尋ねているようにも思えますが、

実は、
相手を責めて切りつける印象を与える、
ナイフのようなNGワードとなるからです。

ご自身の子ども時代を思い出してみましょう

・誰かに振り向いてほしくて、手を出してしまった。

・言いたいことが言えなくて我慢しきれず、そのイライラをモノや人に当たってしまった。

・自分を守るために、攻撃される前に先に手を出した。

お子さんは今、
あなたが幼少の頃に経験したことと同じことをしています。

目の前のお子さんを、
「自分も通ってきた道だ」
と、まずは受け止める。

 

そして、幼少の頃の自分が、

「あの時、自分はこうして欲しかった」

と感じていることを、
お子さんにしてあげてください。

自分の心が整ってくると、
相手に『向き合う』態度も整ってきます。

 

お子さんが何かふさわしくない行動を取ったときには、

「その行動に至った、その子なりの理由」

に向き合う姿勢を持ちましょう。

お子さんは
「話を聞いてもらえて、楽になった・スッキリした」
という心持ちになり、

次の行動に生かしていくことを学んでいくことでしょう。

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投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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