12月になりました。今年は寒さが早々にやってきて、「秋」がとても短かったような気がします。そんな中でも、周りをよく見てみると、あちらこちらに「秋」の姿が残っていました。
季節の移り変わりに気づく、心の余裕がなかった…。
強制終了する前までは、朝早くから夜遅くまで、それこそ「馬車馬」のように仕事をしていました。
通勤途中の電車やバスの中、横断歩道での信号待ちの時間の間などに、車窓や周りの景色をそれなりに見ていたと思うのですが、なぜか印象に残っていません。きっと、頭の中は仕事のことで目一杯だったのでしょう。
ただ、その季節がとうに過ぎた後、「あ、そういえば…。」とようやく気づくことは、何度かありました。
・セミが鳴き始めた頃、アジサイの花がしおれて枯れかかっているのを見て、「ああ、今年はアジサイをじっくりと見ることがなかったなあ。」
・紅葉した桜の葉がほとんど落ちてしまっている様子を見て、「あれ?もう秋が終わっちゃうの?」
こんな風に書くと、「あいつ、おかしいんじゃないの?」と思われたかもしれません。でも、その時は全くと言っていいほど心に余裕がなく、「寒い」「暑い」ぐらいしか感じることができなかったのです。
「秋」は、ちゃんとそこにあった!!
カメラを片手に、家の近所をゆっくりと歩いてみました。
「おお、ここにも秋があったか!!」と感動するくらい、今まで気づかなかったものに出会いました。
「秋」はそこかしこに、ちゃんとあったのでした。
では、なぜ、あの当時の私は、季節の移り変わりに気づくことができなかったのでしょうか?
『あれども見えず』だった自分に気づく
・その存在があるにもかかわらず、それにさえ注意を払おうとしていなかった自分。
・視界の中に入ってはいるのだけれど、その部分は仕事には関係ない、とオートマチックに排除していた自分。
・ちょっと気にはなっているけど、今はそれにかかわっている場合ではない、と切り捨てていた自分。
【忙しい】の【忙】という漢字は、『心』を『亡くす』と書きます。
強制終了する前の私は、まさに『心』を『亡くし』ていて、周囲の様子が『あれども見えず』な状態だったといえます。
今の私には、小さい秋を見つけ、楽しむ余裕がある。
ありがたいことです。
投稿者プロフィール

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<すえひろ・やすみつ>
現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
・企業研修ファシリテーター
(一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)
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