受難節に『マタイ受難曲』を聴く

受難節の聖金曜日に、J.S.バッハの『マタイ受難曲』を聴いてきました。

大好きな『マタイ受難曲』

3月30日金曜日、東京・初台にある
東京オペラシティー コンサートホール:タケミツメモリアルで行われたコンサートに行ってきました。

曲目は、バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏による、J.S.バッハの『マタイ受難曲』です。

18-008 写真

京王新線の初台駅。
エスカレーターで地上に出て、会場の入り口に通じる美しく長い階段を見たとたん、
懐かしさとともにいろいろな思いがこみ上げてきて、目頭が熱くなってしまいました。
15年ぶりの再訪でした。
(このあたりの経過については、機会があったら書こうと思います。)

私はキリスト教の信者ではないのですが、J.S.バッハの『マタイ受難曲』は、クラシックの中で大好きな曲の一つです。

「マタイによる福音書」に書かれた、
十字架へと至るイエス・キリストの物語を、二つの小編成オケ・二つの合唱、そしてソリストが紡ぐ音楽物語。

公演のチラシには、
「バッハが残した人類の美しき至宝」
と書かれてありましたが、まさにその通りであると思います。

(曲の内容について、もっと詳しく知りたい方は、すみませんがググってください…。)

2年前にも、バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏による、J.S.バッハの『マタイ受難曲』を聴いたのですが、
その時と比べ、合唱のメンバーに若い人が増えている印象を持ちました。
年齢のバランスがとれ、その分声に厚みが増したように感じました。

そして、イエスの物語を語り、曲全体を構成していくエヴァンゲリスト(福音史家)を担当した櫻田亮さん。
彼の声は、硬質でありながら伸びやかさがあり、節回しにも柔軟性がある。
かつて聴いた、名テノールのペーター・シュライヤーさんを彷彿させるような歌いぶりでした。

二つの「スタンディングオベーション」

休憩を含んで3時間以上かかる大曲ですが、内容がドラマチックで飽きません。

演奏は大変すばらしく、自分にとっては珍しいことなのですが、終演時にはスタンディングオベーションをしてしまいました!!

そして、もう一つのスタンディングオベーションは、自分自身に対してです。

年度末で仕事が立て込んでいるこの時期、「コンサートに行く!!」と、先にスケジュールを押さえておいたのでした。
何とか仕事のやりくりをつけて、よくぞコンサートに行ってきた!!

今までの自分では、ありえないことでした。

仕事のことを優先して、自分のことは後回し。
後になって、「ああ、やっぱり行けばよかった…。」と激しく後悔する。

こんなことの繰り返しをしてきたことが、自分の体や心を蝕み、『強制終了』に至る要因になったのかも知れません。

演奏のすばらしさに対して、
そして自分の勇気に対して。
二つの「スタンディングオベーション」ができた幸せをかみしめながら、家路についたのでした。

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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