『最長片道切符の旅』を、旅行日と同じ日に読んで思いに耽る ー第1日(10月13日)ー

『最長片道切符の旅』という書籍をご存じですか?

著者である宮脇 俊三(しゅんぞう)さんが、
昭和53(1978)年10月13日から12月20日まで、
途中の休憩(一時中断)等もはさみながら、
当時の国鉄最長片道切符(一筆書き切符とも呼ばれる)で乗り通した記録を、
正味34日間の旅行記としてまとめた作品です。
(新潮社にて出版 のちに新潮文庫へ)

表「最長片道切符の旅」

裏「最長片道切符の旅」

今日は、通院日。
順番待ちの待合室での暇つぶしにと、
自宅の本棚から何気なく取り出した一冊。

読み始めて、ふと気がつきました。
今日は、10月13日。
この壮大なる旅行の第1日目と同じ日ではありませんか!!

・・・・・・・・・・

私は、子供のころからの<鉄ちゃん>。
この本は、もう何十回と読みこんでいて、
鉄道旅行のバイブルみたいになっている。

今の私は、執筆当時の宮脇さんとほぼ同年代。
彼が旅した日と同じ日、近い年齢になった自分が読んだら、
また違った味わいがするかもしれない…。
もし、何の感慨が出てこなくても、それでいい。
それを、記録として文章に残してみよう!!
どこまでできるか、やってみよう!!
続けてみよう!!

・・・・・・・・・・

そんな想いが、急に腹の底から湧いてきました。
慎重派の自分が、こんな想いにかられるなんて、
めったにあることではありません。

というわけで、思い立ったが吉日。
感じたことや気づいたことなどを、
記事として上げていきたいと思います。
私にとっての『ちょこっと実験』。
この先、どうなるかは分かりませんが、
何はともあれ、「出発進行!!」。

【第1日】(昭和53年10月13日)
広尾―帯広―富良野―旭川―遠軽

旅の始まりは、北海道の「広尾」から。
襟裳岬にほど近い、十勝地方の終着駅。
もしかすると、東京の「広尾(渋谷区)」と
勘違いする人は、いるかもしれません。

鹿児島県の枕崎までの行程1万3千㌔強。
覚悟を決め、夜行列車を乗り継いで、
ようやくスタート地点:広尾駅に、
著者が向かう途中の文面から…。

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ところが、帯広の東を流れる札内川(さつないがわ)の長い鉄橋を渡る音が消えたと思うと、急に左の瞼(まぶた)が赤くなった。思わず眼を開けると、十勝平野の横一文字の地平の上に黄味を帯びた大きな赤い玉が乗っかっている。まだギラギラしていないが光線は強い。窓枠の影がレンズで焦点を合わせたようにくっきり映り、震動計のように揺れている。
東京の太陽とはちがう。久しぶりに本当の太陽を見た、と私は思った。
これは最長片道切符旅行の第一日にふさわしい初日の出ではないか。私はちょっと感動し、目が冴(さ)えてしまった。もっとも、きょうは一三日の金曜日であるが。

(新潮文庫版 P.32より抜粋)

―・―・―・―・―・―・―・―

私は、今朝、いつもより早い出勤時間に備え、
5時過ぎに目覚め、
ベランダからボーっと外を眺めていました。
空と雲が次第に明るみを帯び、
朝日に照らされた山々が、
日の出とともに、赤く染まっていく…。
きりっとした寒さの中にも、
清々しさを感じる情景に見入っていました。

私は、宮脇さんのように、
初日の出を直接拝んだわけではないけれど、
「幸先のよいスタート」
という感覚を味わっていました。
(そういえば今日は、後期の授業開始日でした。)

ところで、今回の乗車区間である
・広尾線(広尾~帯広)
・根室本線(新得~富良野)
は、既に廃線となっています。

「一度、乗ってみたかったなぁ。」
そんな思いが今更ながら募りますが、
宮脇さんの文章をゆったりと味わいながら、
のべ69日間の旅を楽しんでいきたいと思います。

〔第1日目の味読(乗車)は、ここまで。〕

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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