『最長片道切符の旅』11日目の乗車線区は、
水郡(すいぐん)線・東北本線・水戸線・常磐線の4つ。
乗車距離は約400キロにもなるのに、やけにあっさりと終わっている印象を受けました。
不思議に思ってもう一度読み直してみたところ、
これまでの章は10ページ前後の分量だったのに、この章は6ページで終わっていました。
これは一体どういうことなのか?
詳細な車窓案内をしてくれる宮脇さんらしくないではないか。
さらに読み直してみると、「もしや??」と思われる箇所を発見しました。
50.2キロもある水戸線の記述がたった4行の文に、必要かつ簡素にまとめられていました。
こんなまとめ方は、これまでの章では見られなかったことです。
ここで、私の中に「ある推理」がふと思い浮かびました。
私は一度だけ、水戸線に乗車したことがあります。
前橋からの帰途、時間に余裕があったので、いつもの高崎線ではなく、
両毛(りょうもう)線・水戸線・常磐線経由の大回りをして上野駅に向かいました。
初めて乗った水戸線。
なのに、帰宅後に振り返ってみても、
その時の車窓風景をどうしても思い出せないのです。
下館駅で乗客の多くが入れ替わったことぐらいしか印象に残っていない。
もしかすると、宮脇さんも私と同じ・・・
いやいや、これはあくまでも私の「推理」なので、これ以上のことは差し控えます。
長い道中では、実にいろいろなことが起きるのでしょう。
著者は、その時に見たこと、起きたこと、感じたことを率直に書いている。
ただそれだけのことなのかもしれません。
・・・・・・・・・・
このブログ記事は、
著者が旅した日と同じ日に一章ずつ読み進め、
感じたことや気づいたことをまとめていく企画です。
それでは、最長片道切符の終着:
鹿児島県枕崎駅に向けて「出発進行!!」。
『最長片道切符の旅』(宮脇俊三 著)の簡単な説明は、こちらから。
【第11日】(昭和53年11月1日)
水戸―安積永盛(あさかながもり)―小山(おやま)―友部(ともべ)―我孫子(あびこ)
鉄道を使って茨城県の駅に降り立ったことは、実は一度もありません。全部、通過です。
でも、バスを使った「神社巡り」では二度、常陸(ひたち)国の神社を訪れたことがあります。
自分が撮影した鉄道に関する写真は全く存在しないので、
水戸市のお隣、ひたちなか市にある神社にお参りした際の画像でご勘弁ください。

<常陸国 酒列磯前(さかつらいそさき)神社 (2018年)>
―・―・―・―・―・―・―・―
水戸駅は早起きだ。
午前四時すこし前から電気機関車の警笛や発車合図のブザーが、駅前ビジネスホテルの窓ガラスの中まで聞えてくる。上野に朝早く着こうとする寝台列車がつぎつぎに着発しているのである。
五時を過ぎると、こんどは電車が頻繫に発車して行く。七時半から九時にかけて上野へ続々と到着する通勤電車群である。
水戸駅は、上野までの所要時間分だけ早起きなのだ。
(新潮文庫版 P.148より抜粋)
―・―・―・―・―・―・―・―
昭和53年当時、常磐線には上野と青森を結ぶ夜行列車が多数運行されていました。
寝台特急「ゆうづる」が7本、夜行急行「十和田」が3本(うち1本は季節運転)の設定。
いずれも基本的に青函連絡船と接続し、本州~北海道間の旅客輸送を担っていました。
このうち3本の「ゆうづる」には、
私の大好きな583系特急電車が使用されていましたから、
この当時の早朝の水戸駅にいることができたならば、
どんなにウキウキした気分になっていたでしょうか。
本日11月1日(日)、私は地域清掃に参加したのですが、
作業をするにはもってこいの、すっきりさわやかな晴天でした。
それぞれの参加者が、自分の持ち場を自分のペースですすめ、
全体としてほんわかとした雰囲気で、穏やかに時が流れている。
本文のこの記述は、今日私が感じ取った秋の気配と重なる部分があるように思いました。
水郡線での一コマです。
―・―・―・―・―・―・―・―
9時42分着の磐城(いわき)石川で一二分停車する。「名産石川石」と彫られた大きな黒曜石の鎮座するホームに降りてみると、秋の日差しが爽(さわ)やかである。荷物車では忙しく積みおろしがおこなわれているが、車掌はベンチに腰をおろして脚を伸ばし、気持よさそうに目をつぶっている。線路の上では制帽を目深(まぶか)にかぶった長髪の若い駅員が、転轍機(てんてつき)を操作してから右手をさっと空手のように伸ばしてカッコよく指差確認をする。
(新潮文庫版 P.150より抜粋)
―・―・―・―・―・―・―・―
『最長片道切符の旅』は、二度目の休憩に入ります。
再開後の第12日目は、11月9日となります。
〔第11日目の味読(乗車)は、ここまで。〕
投稿者プロフィール

-
<すえひろ・やすみつ>
現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
・企業研修ファシリテーター
(一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)
詳しいプロフィールはこちら。