『最長片道切符の旅』11日目の乗車線区は、
水郡(すいぐん)線・東北本線・水戸線・常磐線の4つ。
乗車距離は約400キロにもなるのに、やけにあっさりと終わっている印象を受けました。
不思議に思ってもう一度読み直してみたところ、
これまでの章は10ページ前後の分量だったのに、この章は6ページで終わっていました。
これは一体どういうことなのか?
詳細な車窓案内をしてくれる宮脇さんらしくないではないか。
さらに読み直してみると、「もしや??」と思われる箇所を発見しました。
50.2キロもある水戸線の記述がたった4行の文に、必要かつ簡素にまとめられていました。
こんなまとめ方は、これまでの章では見られなかったことです。
ここで、私の中に「ある推理」がふと思い浮かびました。
私は一度だけ、水戸線に乗車したことがあります。
前橋からの帰途、時間に余裕があったので、いつもの高崎線ではなく、
両毛(りょうもう)線・水戸線・常磐線経由の大回りをして上野駅に向かいました。
初めて乗った水戸線。
なのに、帰宅後に振り返ってみても、
その時の車窓風景をどうしても思い出せないのです。
下館駅で乗客の多くが入れ替わったことぐらいしか印象に残っていない。
もしかすると、宮脇さんも私と同じ・・・
いやいや、これはあくまでも私の「推理」なので、これ以上のことは差し控えます。
長い道中では、実にいろいろなことが起きるのでしょう。
著者は、その時に見たこと、起きたこと、感じたことを率直に書いている。
ただそれだけのことなのかもしれません。