ベートーヴェン「第九」を客席から初めて聴いて気づいたこと

 

年末といえば、恒例の「第九」。
ベートーヴェンの「交響曲第九番(合唱付き)」を、
観客として初めて聴いてきました。

今回、偶然が重なり合ったおかげで、
思いがけず「第九」の演奏に接することができました。

そこでは、得難い経験と気づきがありました。

 

トントン拍子に進んだ、演奏会までのプロセス

コンダクター/ビリーフリセット®アドバイザーの末広康三(すえひろ やすみつ)です。

その日の夕方のスケジュールが、突然空いた。
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ネットで調べたら、「第九」演奏会があった。
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以前から注目していた指揮者&交響楽団が演奏する。
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当日券の発売があるという。
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開演時間までに、何とか間に合いそうだ。

こんな偶然が、ひょいと重なりました。
「これ何かの巡り合わせ」とばかりに、
演奏会場へと馳せ参じました。

 

「ステージ上の私」から「客席での私」へ

客席で「第九」の演奏を聴いて、
「自分も歌ってみたい!」と一念発起。
合唱団の一員としてステージに上がる。

というのは、
よくあるケースだと思われますが、
私の場合は、それとは全くの逆パターン。

合唱団員としてステージで歌ったことが先で、
「第九」客席で聴いたことは、
これまで一度もありませんでした。

 

学生時代からコーラスを始めた私は、
とてもありがたいことに、
約15年間の活動で40回以上も
「第九」を歌うチャンスに恵まれました。

アマチュアの合唱団員として、
プロのオーケストラと数多く
共演させていただいたというのは、
破格のことだったと思います。
その間、「第九」に接していたのは
全てステージ上においてでした。

そんなこともあり、今回、
「第九」を初めて客席で聴くことに、
とてもワクワクしていました。

 

ステージで歌うのも客席で聴くのも、どちらもいい

この日の出演は、
川瀬賢太郎さん指揮の
神奈川フィルハーモニー交響楽団。
コンサートマスターは石田泰尚さん。

21-018 第九パンフレット

 

若きマエストロ川瀬さんが表現したい世界を、
「よし、任せておけ!!」とばかりに
兄貴分の石田さんが受け止め、
そのやり取りを感じ取った楽団員さんたちが、
音の伽藍(がらん)を作っていく。
そんな雰囲気が感じられるところが、
このコンビの良さであると私は思っています。

川瀬さんは、表現したい音楽の方向性を
明確に持っておられます。
そうした中で、オケに任せる部分と、
カッチリと決めていく部分とを
うまく組み合わせながら、
演奏を山場へと導かれたように思います。

合唱は、プロ声楽家28名の特別編成。
100人を超える合唱団の大迫力の魅力もさることながら、
小編成で小回りの利いた合唱にも魅力を感じました。

 

さて、話は戻りますが、
私が合唱団員としてステージに立った時には、

「音楽を創るプロセス」の楽しさ

を目一杯感じながら歌っていたことを思い出しました。

自分が演奏する側にいる時は、
何度かの練習を重ねているので、
指揮者の音作りの方向性が分かります。
音の組み立てや大きな流れを感じ取りながら、
自分にできうる最大限の演奏をしていたと思います。

 

今回、観客として客席で感じたことは、

「シェフに出されるフルコース料理」を
大いに楽しんでいる自分がいる!!

ということでした。

慣れ親しんだ「第九」という曲であっても、
この演奏がまさしく一期一会ですから、
指揮者やオーケストラ、ソリスト、合唱が、
一体どんな音楽を紡いでいくのか、
次はどんな展開を繰り広げていくのか、手に汗を握りながら聴いていました。

 

「ステージ上の私」と「客席での私」。

どちらも体験できたのは、
本当に貴重な機会だったと思います。
自分の見方や考え方の違いに気づき、
とらえ方や感じ方を広げることに
つながったのではないかと思います。

ステージで歌うのも客席で聴くのも、どちらもいい

最後は、この思いに尽きます。
とても印象に残る、師走の演奏会でした。

 

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の小学校教師としてバリバリと仕事をこなしてきたが、ある朝、突然動けなくなり「強制終了」を体験。職場復帰後、友人経由で転送されてきた「とあるブログ」をきっかけに自己探求に目覚め、「心のしくみ」についての学びをスタートさせる。
 現在、小学校勤務のかたわら、これまでの経験を活かし、[心のしくみ]や[人としてのあり方・生き方]を先生・保護者・子どもたちに伝えていきたい」という願いを実現すべく、カウンセラー・セミナー講師を目指し修行中。

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