出さないと、入ってこない!!① 『仕組み』に従って、一度考えてみよう。

 

「深呼吸する」って、
『息を吸ってから、出す』の?
『息を出してから、吸う』の?

そんなの、どっちでもいい!!
ってことかもしれないけれど、
『仕組み』という観点から見ると、
実は<順番>があるのです。

 

『ニワトリが先』か?『卵が先』か? のような話

 

ビリーフリセット®アドバイザーの
末広康三です。

まずは、ちょっと考えてみてください。

 

<その1>
駅のホームで、電車を待っています。
ほどなく、満員の電車が到着。
ホームにも沢山の人がいる状態です。

電車から降りる人を待ってから乗る?
我先に、満員の電車に乗り込む?
あなたは、どちらの行動をとりますか?

 

<その2>
美味しい食事をたらふく平らげた。
もう、体を動かすのも億劫な状態。
「あっ、いただいたお菓子があった!!」
それは、高級和菓子店の季節限定希少品。

無理してでも、今すぐに食べる?
おなかが空いた頃に美味しく食べる?
あなたは、どちらの行動をとりますか?

 

共通点は、まず先に『出す』こと。
                  その後に『入れる』こと。

 

<その1>の解説

「電車から降りる人が先」
「電車に乗る人が後」

子どもたちには、電車の乗り方を
このように指導していますよね。
電車内よりもホーム上の方が
スペースが広いので、一般的には

<電車から降りる人を待ってから乗る>

という行動を選択しています。

 

<その2>の解説

これは、個人差が大きいので
一概には言えないところがありますが、
多くの方々は、

<おなかが空いた頃に美味しく食べる>

という行動を選択するのではないでしょうか。

 

さて、2つの事例の共通点は何か?

先に、満タンの状態から『出す』
その後、空いたスペースに『入れる』
これが<順番>というもの。
逆をやっても、うまくはいきません。

 

つまりのところ、

『出さなきゃ、入ってこない。』

ということになります。
これが、私がお伝えしたかった
『仕組み』なのです。

『出す』からこそ、『入って』くる!!

 

この『仕組み』に照らし合わせると、
冒頭に出した問題の答えが、
おのずから見えてきます。

『息を出してから、吸う』

これが、解答です。

 

人間が生まれ出てくるときの様子。

赤ちゃんはまず、羊水を吐き出す。
反射的に吸った息を使って、
「おぎゃあ!!」と声を出す。

『出さなきゃ、空気が入ってこない。』
からこそ、『出す』ことが先決です。

 

人間が、臨終を迎える時のこと。

心停止しても、息はすぐには止まりません。
呼吸がだんだんと弱くなり、
最後に弱々しく「ほっ」と息を吐く。
これが、本当の「最期」です。

私は、自宅で祖母の臨終に立ち会い、
往診に来てくださった主治医の指示のもと、
一人で祖母の最期を看取りました。

『出し切ったからこそ、最期を迎えた』

祖母は私に、自身の人生の最後まで、
この『仕組み』を体現してくれたのです。

 

私たちは、『深く息を吐いて』いるか?

 

ここで、私たち自身のことを
見つめ直してみましょう。

 

忙しい毎日の生活の中で、
自分自身の思考や行動の中に、
過剰に詰め込んではいまいか?

あれもこれも!! と詰め込んだ結果、
タスクに追われ、時間に追われ、
身動きが取れなくなってしまっている
状態に陥ってはいまいか?

詰め込み過ぎた状態が慢性化し、
詰め込み過ぎたことにすら気づかず、
思考や行動が硬直化してはいまいか?

これらが、体や心の病気を引き起こす
大きな原因となっています。
私も含め、大多数の人たちが、
多かれ少なかれ、この境遇にいると思われます。

 

では、どうしていけばよいのか?

心身の不調を取り除き、
本来、自分が持っているしなやかさを
取り戻していくための第一歩。

 

それは、
『出さなきゃ、入ってこない。』
という『仕組み』を活かして、

『ゆっくりと、深く息を吐く』

ことを意図的に行っていくことです。

 

「息を吐く」ことで、体が緩みます。

緩むことで、「すき間」ができます。

すき間ができることで、
そこに「余裕」が生まれます。

余裕ができるから、
そこに新しい空気か入ってきます。

また息を吐くことで、「循環」が生まれます。

 

このサイクルを繰り返していくことで、
新しい考え方や行動が生まれてきます。

これって、『瞑想』に近いものがありますね。

 

まずは「出す。」そして「入れる。」

この『仕組み』の考え方は、
様々な場面に応用できます。

 

<この続きは、次回へ。>

 

19-016 雲

 

 

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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