子どものやる気を引き出す魔法の言葉は、『惜しい!!』

『リセット・仕切り直し』するには
絶好のチャンスであった春休み。

その春休みを経て新学期を迎えたこの時期、
新しい視点をもって
「お子さんとの向き合い方」を
見つめ直してみませんか?

これまでの私の経験を生かしていただきたく、
7回にわたって

「子どもとの向き合い方」のヒント

をお伝えしています。

今回、第6回目のテーマは、

子どものやる気を引き出す魔法の言葉は、『惜しい!!』

です。

子どもが〇を欲しいのは、『自分を認めて欲しい』から。

お子さんの宿題、特に低学年の計算練習では、

「ご家庭で、お子さんと一緒に丸付けをなさってください。」

と言われるケースが多いです。

〇が全部つけば子どもは嬉しいけれど、
✖がつくと途端に機嫌が悪くなって、

「もう、やらない!!」
「見なくていいから、あっちへ行って!!」

などと言われた経験はないでしょうか。

子どもは、
『自分の存在にOK』
されることを、とても欲しがっています。

・認められた
・嬉しい
・ここにいて、大丈夫

これでモチベーションが上がり、
次もやっていこうという意欲につながるからです。
これは、大人にも同じことが言えますね。

〇つけをする際のポイントは、

・答えが違っていた時には✖を付けない
・一言、『惜しい!!』と明るく伝える

「本当に惜しい」
という気持ちを込めて伝えられると、もう最高です。

親子で〇

『惜しい!!』と言われた子どもは、
「えっ!?どこが惜しいの??」と、びっくりします。

・間違っていたらどうしよう
・怒られるの、嫌だな
・どうせ、自分はできないんだから…

自分が思い描いていた自己の姿
(ここでは、マイナスの事象)
とは違うことを言われるので、
思考の逆転現象が起こります。

「ダメな自分」ではなかった!!

瞬時に、自分自身の受け止め方がひっくり返ります。

「自分は否定されていない」という『安心感』を作る

『惜しい!!』という言葉には、
言われた側としては、否定の意味合いを感じません。

お子さんの内面で、
「否定されていない」という安心感が生まれ、

・自分の力で、何とか解決してみよう
・本当はよく分からなかったから、どうやればいいか教えてもらおう

という、やる気が湧いてきます。

子どもにとって、
✖をつけられることは、
「お前はダメだ」
という烙印を押されることに感じます。

でも、
「〇がつけられなかったとしても、
✖がつけられなかったから、
まだチャンスはある。何とか頑張ろう」

という気持ちを抱き、

子どもが、自分自身に✖をつけない

ようにしていく。

お子さんのやる気を削ぐことなく、

・自分の力で取り組んでみよう
・わからないことは恥ずかしくない
・素直になって、教えてもらおう

という意欲を引き出していく。

これが、
『惜しい!!』
という言葉を使うことのねらいなのです。

大切なポイントを再確認します。

正解した問題にだけ、〇をつける
(間違えたところには、✖をつけない)
気持ちを込めて、明るく『惜しい!!』と伝える

ということです。

視覚的に〇しか見えないので、
お子さんが抱くガックリ感は軽減されます。

〇がついていないところは、
自分の力で何とかしよう、
という気持ちになります。

本当に解決したいときには、
自ら考えてもう一度その問題に取り組み、
それでもわからなかったら、
「どこが間違っているの?」
と尋ねてくるようになります。

その時に初めて、
大人が解き方をアドバイスしてください。

お子さんが自分に「ダメ出し」せず
自らの力で、少し動き出す。
そんなやる気を引き出す魔法の言葉が、

『惜しい!!』

の一言なのです。

みんなで〇

これまでの私の経験を生かしていただきたく、
7回にわたって

「子どもとの向き合い方」のヒント

をお伝えしています。

〔第1回〕
子どもとの向き合い方を変えたければ、大人が『自分と向き合うこと』をしてみる

〔第2回〕
子どもがとったその行動 ⇒『理由・背景』に目を向けてみる

〔第3回〕
『何で?』は、相手の心を閉ざすNGワード

〔第4回〕
焦りは禁物! 「I(アイ)・メッセージ」で自分の気持ちを伝える

〔前回〕
『子どもの存在を認める言葉掛け』で安心感を高める

〔次回〕
大人が変われば、子どもも変わる

これらのブログ記事が、
少しでも、皆さまのお力になれましたら幸いです。

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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