『リセット・仕切り直し』するには
絶好のチャンスであった春休み。
その春休みを経て新学期を迎えたこの時期、
新しい視点をもって
「お子さんとの向き合い方」を
見つめ直してみませんか?
これまでの私の経験を生かしていただきたく、
7回にわたって
「子どもとの向き合い方」のヒント
をお伝えしています。
今回、第4回目のテーマは、
焦りは禁物!
「I(アイ)・メッセージ」で自分の気持ちを伝える
です。
声掛けは『明るく・短く・さらっと』
・お子さんの様子が、いつもとは違う感じがする…。
・ちょっと気になるな、何があったんだろう?
普段の生活の中で、
このような場面に遭遇することは多いことでしょう。
でも、「どんな言葉掛けをしたらいいのだろう?」
と、一瞬戸惑い、
・無視されたら、どうしよう
・子どものご機嫌取りはしたくない
など、悩まれることもあろうかと思います。
そんな時には、
「どうしたの? 私には〇〇のように見えるけど。」
と、明るく・短く・さらっと声を掛けてみましょう。
ここでのポイントは、
相手の反応が、あってもなくてもかまわない
ということです。
気になっているのは、発言したこの私であって、
仮にお子さんからの反応がなかったとしても、
あなたのことを責めたり、注意したり、
やり込めたりするようなことはしないよ
という姿勢と態度を示すことが大切になってきます。
この時点で、
「うん、実はね…」
などと、お子さんからの反応があれば、超ラッキー!!
そういう時には、ただひたすらに、
お子さんからの言葉を受け止めてください。
一方、こちらの声掛けに、
反応がなくても、冷たくあしらわれても、
ここで焦ってはいけません。
声を掛けるだけで、オシマイ。
同じ言葉掛けを、
次の日も、また次の日も続ける。
「えっ!? それだけでいいの???」
そう。ただ、それだけのことです。
お子さんは、最初のうちは、心の中で
・ウザい
・言いたくない
・面倒だから相手にしない
などと思っていることは間違いありません。
受け答えはしないまでも、
こうした思いを心の中に押し込めています。
本当はモヤモヤしているのに、
表に出すことを押さえ込んでいる分、
心の声が、表情や行動となって表れます。
嫌なことがあってメンタルが沈んでいるところに、
「何で? 何で?」
と、グサグサと切り込まれてきたら、
・口を開かない
・無視する
・追い払うために暴言を吐く
などの行動で、お子さんは
自分の心を守るための防戦態勢を取らざるを得ません。
その反対に、いつもとは違う
お子さんの様子をキャッチした大人から、
「どうしたの? 私には〇〇のように見えるけど。」
「あなたのことを、私は気にかけているよ。」
そんなメッセージを、
明るく・短く・さらっと伝えられた子どもは、
・この人は、信用してもいいかも
・ちょっと話しかけてみようかな
という気持ちになってきて、
重く閉ざした口を開いてくれるのです。
お子さん自身が、
「このことを話しても、自分は安全だ。」
と感じられたとき、
初めて、自ら語り出してくれるのです。
「I(アイ)・メッセージ」で自分の気持ちを伝える
冒頭にもお伝えしましたが、声掛けのポイントは、
明るく・短く・さらっと
です。
お子さんにムッとされても、
無視されても拒否されても、
深追いはしません。
あくまでも、冷静に声掛けするだけです。
これを、キャッチボールで例えると、
「どうしたの? 私には〇〇のように見えるけど。」
という、私〔I(アイ)〕が受け止めたことを、
『I(アイ)・メッセージ』
で、相手を責めない言葉(ボール)を投げていることになります。
キャッチボールの球を投げ返してくるのは、目の前のお子さん。
相手のターンですから、
こちらが腹を据えて、気長に待ちます。
ここで、決して焦ってはいけません。
「この人には、話してもいいかな」
と、お子さんが思ってくれれば、大成功。
相手が投げ返してきたボールをていねいに受け止め、
また投げ返して相手の内面に少しずつ寄り添っていく。
そんな「言葉のキャッチボール」をイメージして、
相談事を聞いていきましょう。
お子さんのことで心配事がある時、
大人である自分の不安や怖れが先に立ち、
つい、詰問調になっていませんか。
・子どもに言うことを聞かせられない自分はダメな奴
などと思って、
内心ヒヤヒヤしながら、
勇気を振り絞って声掛けしてはいないでしょうか。
もう、過剰な気遣いや、
自分への無理強いからは卒業しましょう。
そんな時には、
「どうしたの? 私には〇〇のように見えるけど。」
という
『I(アイ)・メッセージ』
で、自分の気持ちを伝えていきましょう。
7回にわたって
「子どもとの向き合い方」のヒント
をお伝えしています。
〔第1回〕
子どもとの向き合い方を変えたければ、大人が『自分と向き合うこと』をしてみる。
〔第2回〕
子どもがとったその行動 ⇒『理由・背景』に目を向けてみる
〔前回〕
『何で?』は、相手の心を閉ざすNGワード
〔次回〕
『子どもの存在を認める言葉掛け』で安心感を高める
〔第6回〕
子どものやる気を引き出す魔法の言葉は、『惜しい!!』
〔第7回〕
大人が変われば、子どもも変わる
これらのブログ記事が、
少しでも、皆さまのお力になれましたら幸いです。
投稿者プロフィール

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<すえひろ・やすみつ>
現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
・企業研修ファシリテーター
(一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)
詳しいプロフィールはこちら。
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