「思い込み」「信じ込み」をゆるめた先には、こんな世界が広がっている。

 

以前のブログ記事で、

『思考がゆるむ』

ことについて、
私の体験からお伝えしました。

では、この『思考』は一体、
誰が、どんな風に創り出してるのか?

このことに気づかせてくれる絵本に出会ったので、
ご紹介します。

 

おおきなあかいかべがありました。

 

ビリーフリセット®・アドバイザー/コンダクターの末広 康三(すえひろ やすみつ)です。

 

今回ご紹介する絵本は、こちらです。

 

20-015 絵本

『かべのむこうになにがある?』
作/ブリッタ・テッケントラップ
訳/風木 一人
BL出版株式会社(2018年初版)

昨年度(2019年度)の「青少年読書感想文全国コンクール」で、
小学校高学年の部の課題図書の1冊としても取り上げられました。

 

登場人物は、

しりたがりの ちいさなねずみ
こわがりの ねこ
くまの おじいさん
おちょうしものの きつね
くたびれた らいおん

 

動物たちは、どこまでも続く、
赤い大きな壁の中で暮らしていました。

しりたがりの ちいさなねずみは、

「この壁は、いつからあるのだろう?」
「誰が、どうやって作ったのだろう?」

と、気になり出します。

誰に聞いても分からないし、
そんなことを気にすることさえしないようでした。

 

でも、しりたがりの ちいさなねずみは、
壁の外から飛んできた、そらいろのとりに、
なりふり構わず頼み込みます。

「とりさん、あなたの世界へ連れてって!!」

 

壁の外に出たねずみは、
自分が思ってもみなかった世界があることに気づき、
叫んだのでした。

<壁なんて、初めからなかったんだ!!>

 

「そういうものだ」と思い込んでいる私たち

 

絵本のあらすじは、ここまで。
この後の展開は、実際に読んでいただきたいと思います。

 

さて、ここで私が注目したいことは、
ねずみ以外の動物たちが抱いている、
壁の存在についての<認識>です。

・いつもそこにあるものだ
・常に私たちを守ってくれるのもの
・知ろうとしたことも、考えたこともない
・壁の向こうには、何もない

<そこに壁があるのは、当たり前のこと!!>
と、異口同音に言っているのです。

それって、本当でしょうか?

 

ねずみがずっと抱いていたのは、

<なんで、そこに壁があるの?>

という違和感。

他の動物たちは、
壁の中で生活し続けることで、
違和感さえ持たなくなっている。

これが、自分の息苦しさ(生き苦しさ)に
つながっていることに気づかず、
倦怠感や不足感、拒否感や絶望感を生んでいる。

 

実は、<壁があるのは、当たり前!!>
というのは、

自分が作り出した
「思い込み」や「信じ込み」であった、

ということだったのです。

 

このことに気づいたねずみ。
外の世界から、みんなの元に戻ろうとした時、
あることが、現実となって目の前に現れます。

<あっ、壁がない!!>

 

思い込み(ビリーフ)をゆるめてみると…

 

生きていくために必要だったもの。
自分を守るために不可欠だったもの。

私たちが幼少期に抱いた<生存戦略>としての思考。
それが「ビリーフ(思い込み・信じ込み)」。
それは、ただの<考え>に過ぎない。

 

でもそれが、いつしか当たり前のもとなり、
ただの<考え>であるにもかかわらず

<自分自身そのもの>である!!

と、思い込んでしまってはいませんか?
当然のこと、と信じ込んではいませんか?

 

自分の中で、
ちょっとした引っ掛かりや違和感があったら、

「それって、本当ですか?」

と、自分のその<考え>を
見つめ直してみてくださいね。

 

そんなきっかけを作ってくれる
素敵な絵本に出会ったので、紹介させていただきました。

 

投稿者プロフィール

末広 康三
末広 康三
 <すえひろ・やすみつ>
 現役の公立小学校教師。神奈川県生まれ。これまで2,000人以上を直接指導。
 40歳代後半、家庭では自身の子どもの不登校を経験し、仕事では「うつ」を発症。職場復帰後、大塚あやこ氏が提唱する「ビリーフリセット心理学®」と出会い、関心のあった「心のしくみ」についての学びを深める。
 現在、小学校勤務と並行して、『心理の視点を取り入れて<問題>を俯瞰し、見つめ直してみる』という手法を教育・家庭・仕事に生かすべく、現場での実践や学習会・講演会などを行っている。
 ・ビリーフリセット®シニアアドバイザー
 ・企業研修ファシリテーター
  (一般社団法人ビリーフリセット®協会 認定)

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